北海道で増えるヒグマ出没―自然と共に生きるために、私たちができること

北海道で増えるヒグマ出没―自然と共に生きるために、私たちができること

 よりみちパパ

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最近、熊の出没が相次いでるな…。個人で心がけておくべき事はなんだろうか…。

近年、北海道でヒグマの出没が急増しています。
札幌市内の住宅地や通学路にまで姿を現し、農作物被害や人身被害が相次ぐなど、もはや「山の動物」ではなく、私たちの生活圏に入り込む存在となっています。
背景には、地球温暖化による気候変動ドングリの凶作による食糧不足猟友会の高齢化や駆除体制の弱体化など、複数の社会・環境要因が重なっています。
この記事では、ヒグマ出没増加の背景や季節ごとの生態、そして子育て世代が日常生活の中でできる安全対策を具体的に紹介します。

ヒグマ出没の背景にある「変化する北海道の自然」

ドングリの凶作がもたらす食糧不足

ヒグマにとって秋のドングリは、冬眠前の大切なエネルギー源です。
しかし、近年はナラやミズナラの凶作が相次ぎ、2023年の道内調査では例年比で約40%減少という報告もありました。ドングリの不作は、ヒグマが十分に脂肪を蓄えられないことを意味します。

結果として、ヒグマはエサを求めて山から人里へ下り、トウモロコシ畑や果樹園を荒らすようになります。
こうした“飢えの連鎖”は、もはや一時的な異常ではなく、気候変動と森のサイクルの歪みが恒常化している証拠ともいえるでしょう。

地球温暖化がヒグマの行動範囲を変えている

北海道の平均気温は、過去100年間で約2度上昇しています。
この“わずか2度”の変化が、生態系に大きな影響を与えています。

例えば、春の雪解けが早まり、ヒグマの活動開始時期が前倒しになる。
秋も暖かいため冬眠の開始が遅れ、結果的に人間の活動時期と重なる期間が長くなるのです。
さらに、暖冬で山に雪が少ない年は、冬眠せずに活動を続ける個体も確認されています。
こうした“通年活動型のヒグマ”は、従来の対策スケジュールを超えた存在となり、行政や地域を悩ませています。

駆除の減少と猟友会の高齢化という社会課題

ヒグマ対策の最前線に立つのが「猟友会」です。
ところが、猟友会の会員数はこの20年で約半減し、平均年齢は60歳を超えています。
若手の狩猟者が育たない背景には、銃の所持許可や維持費、保険料などの経済的負担の大きさがあります。

その結果、ヒグマが出没しても即座に対応できる体制が整わず、
「見かけても駆除できない」「通報しても人手が足りない」という現実が生まれています。
これは単なる野生動物の問題ではなく、地方の人材・産業構造の縮図でもあります。

ヒグマ出没の過去と現在――人と熊の距離はどう変化したのか

過去の大量出没とその教訓

北海道の歴史を遡ると、ヒグマによる被害は決して新しいものではありません。
特に有名なのが1915年の「三毛別羆事件(苫前事件)」です。
体長2.7メートル・体重約340キロの巨大なヒグマが民家を襲い、7人が犠牲となりました。

当時は人里と山の境界が曖昧で、開拓による森林伐採も進んでおり、ヒグマとの距離が近かったのです。
この悲劇は「自然との共存には明確な境界とルールが必要」という教訓を残しました。

近年の傾向――都市近郊にも迫るヒグマ

近年は、札幌市や旭川市など都市周辺での出没が増えています。
2024年には札幌市南区でヒグマが通学路に現れ、学校が臨時休校となる事態も発生しました。

背景には、過疎化による“緩衝帯”の消失があります。
人の手が入らなくなった里山や農地が放置され、山と街の間が曖昧になっているのです。
さらに、人口減少と高齢化が進む地域では、熊の監視や駆除を担う人材が不足し、「防ぐ力」が低下しています。

家庭を守るために――子育て世代ができる身近な備え

アウトドアやキャンプでの注意点

家族でキャンプや登山を楽しむ家庭も多いでしょう。
しかし、自然の中では「人間の常識」が通用しないこともあります。

・ゴミや食べ残しは必ず密閉して持ち帰る
・香りの強い食材(焼肉・魚)は夜間に放置しない
・ヒグマの足跡(大きな爪跡のある前足跡)や糞を見つけたら引き返す

また、ヒグマは人間を避ける傾向があります。
鈴やラジオの音を出して存在を知らせるだけでも、遭遇リスクは大幅に下がります。

子どもと一緒に「自然の痕跡を観察する」「ゴミを残さない」を実践することは、
安全教育であると同時に“環境リテラシーの育成”にもつながります。

通学路や散歩コースの安全確認

近年では、住宅地近くの林や河川敷にもヒグマが出没しています。
子どもを守るためには、次のような日常の備えが有効です。

・朝夕の薄暗い時間帯に一人で行動しない
・見通しの悪い道や草むらを避ける
・自治体の「ヒグマ出没情報メール」や「防災アプリ」を登録しておく

2023年には道内のある町で、親がアプリ通知を受けて登校ルートを変更し、被害を回避できた事例もあります。
“情報を取る力”は、家族を守る力です。

「恐れる」から「共に生きる」へ――父親として伝えたいこと

ヒグマは危険な存在ですが、同時に北海道の自然の象徴でもあります。
恐怖だけで語るのではなく、**「なぜ熊が出てくるのか」**を子どもと話すことも大切です。

例えば、
「人間のせいで森のドングリが減っているかもしれない」
「森が元気じゃないと熊も困る」
といった会話を通じて、自然への責任感や思いやりを育てられます。

忙しい日常の中でも、自然や命のつながりを意識できる家庭――
それこそ、**現代の父親にとっての新しい“スタイルアップ”**かもしれません。

未来に向けて――共生のための新しいライフスタイル

地域コミュニティとのつながりが安全をつくる

ヒグマ対策は個人だけでは成り立ちません。
地域の清掃活動や草刈りは、実は熊の出没を防ぐ「環境管理」の一環です。
草むらや放置果樹をなくすことで、熊が隠れたり餌を得たりする場所を減らせます。

また、地域で情報を共有することで「見た・聞いた・感じた」をすぐ伝えられます。
父親世代が積極的に地域コミュニティに関わることで、
防災・防熊ネットワークがより強固なものになります。

「自然とともに暮らす」ことが、真のスタイルアップ

ヒグマ問題は、自然との付き合い方を見つめ直すきっかけです。
外見のスタイルアップも大切ですが、
本当の“かっこよさ”とは、自然や社会と誠実に向き合う姿勢にあるのではないでしょうか。

忙しい日々の中でも、
・子どもと森を散歩する
・地域の清掃や防災活動に参加する
・自然番組や環境ニュースを家族で見る

そんな小さな行動が、次世代への責任あるライフスタイルにつながります。

まとめ――ヒグマ問題は、私たちの「生き方の問い」でもある

ヒグマ出没の増加は、単なる自然災害や動物被害ではなく、
地球温暖化・過疎化・人と自然の距離の喪失という現代社会の縮図です。

私たち30〜40代の世代は、仕事・子育て・地域の中で多くの責任を担っています。
だからこそ、恐れるだけでなく、学び、考え、次の世代に正しい知識を伝えることが重要です。

ヒグマのニュースを“他人事”にせず、
「自分たちの暮らしの延長線上に自然がある」と意識する。
その視点こそが、真のスタイルアップ=生き方の成熟なのです。

私がこの記事を書いたよ!

よりみちパパ

よりみちパパ 男性

忙しい中でも自分らしく輝けるライフスタイルを目指している30代パパです👨スーツ👔・腕時計⌚️・革靴👞の基礎知識から、ウィスキー🥃、トレイルランニング🏃、子育て👧まで…毎日をちょっと上質に、ちょっと楽しく✨

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